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ソロ・アーティスト“Leda”の今に迫るロング・インタビュー。

現在の彼を形成した DELUHI、UNDIVIDE、Far East Dizain への想いをはじめ、ソロでの活動を決めた理由、そして最新音源となるEP2作に至るまでを前編・後編で徹底的に語り尽くします!

 【インタビュー前編】
 

――2019年6月にFar East Dizain(以下FED)の活動が終了し、9月にはソロとしての始動を発表しました。そもそも今回、なぜソロという形式で活動していこうと思ったんでしょう?
Leda:FEDで4年間活動して、それ以前にはDELUHIもあって、そういった一連の流れのなかでバンドのリーダーとして活動してきて、やっぱり昔よりも1人でできることが増えてきたんですね。それと、ここでまたイチからバンドを始めるとなると、メンバー探しからスタートして、バンドとしてのコンセプトを決めて、どういう方向性の楽曲にするのかとか......そこで時間がかかってすぐに動きだせないのであれば、ソロとして今自分が世に出したい音楽をいち早く発表していきたいなって思ったんです。

――仮に、今回の1st EP『MIRAGE OF GEMINI』をパーマネントなバンドで発表するとなったら、リリースはもっと後になっていたでしょうし。
Leda:そうですね。それに、FEDではバンド活動の酸いも甘いも味わうことができて、本当にいい経験をさせてもらったんです。それでバンドが解散したからといって、ここですぐに気持ちを切り替えて「さあ、新しいバンドをやろう」っていう気にはなれなくて。

――なるほど。これまでもサポートなどで単身の活動もしてきましたが、やはり“Leda”という看板を掲げて活動することに意味があるわけですよね。
Leda:ええ。たしかに、バンドのギタリストとしての自分と、いちギタリストとしてのプレイヤーの自分という2つのラインが、ここ数年の間でできていますよね。ただ、サポートワークも好きですけど、 何よりも自分のやりたいことを表現するということに力を入れていきたいし、そのためにアーティストをやっているので。サポートはサポートで別のやりがいはありますよ。だけど、自分にとってメインとなるのは、曲を生んで自分が主となって活動していくことだと思ってます。今回ソロを選んだ理由として、サポートやセッションの機会が多くなってきたことも影響してるし、特にギタリストだけのイベントの“Legend Guitarist” に呼んでいただいたことがきっかけで、インストの世界に足を踏み入れたことは大きいですね。元々はピンで活動していくっていう概念があまりなかったんです。そういう門を叩いて、自分のなかのソロ・ギタリストとしての可能性が開かれたというか。

――今の時点ではバンドをやりきった感もありますか。
Leda:うーん......今も憧れはあるんですよね。バンドのギタリストで成功することは昔からの夢だったので、それに対する憧れはあって。だけど、“自分は違うのかもしれない”とも思うし、一方で“まだまだやりたい”と今後思い始めるかもしれないんですけど、まず今は1人でやっていこうというところですね。ソロは初めての経験なので、やれることがたくさんあるし、ひとつのチャレンジとしていい機会なのかなと思うんです。例えば、ギターのセミナーやイベントの機会がより多くなってきたり、ギター・インストの世界に足を踏み入れたことで新しい視野も加わってきたので、そこで新たに生まれるものもあるはずなので。

――それと、FED活動停止~ソロ始動発表を経て、ひと月後の10月にはSHINさんとの対バン・ライヴもあり、非常に展開が早かったですよね。その流れを改めて確認しておければと思っていて。
Leda:これは伝えておきたいんですが、FEDの活動中に次に何かしようとか考えていたわけではなくて。FEDの活動停止が決まっても、とにかく最後のライヴまではFEDをやりきることだけを考えていたんです。結果的にバンド解散から3ヵ月後の9月にソロ始動を発表しましたけど、あれはSHIN君とのライヴのお話をいただいて、そこから急ピッチで準備を進めていって、始動を発表できる状況になったのがあのタイミングだったんですね。だから、FEDが終わってから何かをやるだろうとは漠然と思っていたけど、活動中は具体的なことは何も考えてなかったので。

――ライヴの実現に向けて形にしなければ、という想いがスピードを加速させたと。
Leda:ええ。もう決めてしまえば、そこに向かって進むしかないので。自分はケツに火がついたほうが物事を上手くやれるタイプで、ダラダラしてるよりはいいのかなと。

――10月のライヴに向けて探したメンバーが、結果、Ledaプロジェクトのメンバーにもなったわけですが、この人選はどのように?
Leda:当初は、ソロで展開していくのであればヴォーカルを複数フィーチャリングして、いろんなスタイルの楽曲を出していく形もアリだなとは思っていたんですね。ただ、先にSHIN君とのツーマン・ライヴが決まって、時期的に自分が持っている既存曲を披露しないとライヴを成立させることができなかったので、そこではソロ・プロジェクトであるUNDIVIDEの曲を演奏しようと決めて。さらに今後はメタルのフィールドの楽曲をやりたかったし、であればヴォーカルはRYO君(Unveil Raze) がいいなと思い、まず彼に声をかけました。10月のライヴはUNDIVIDEの曲をやって、その後に音源を作りたいと伝えたら快諾してくれたので、そこからスムーズに進んでいったんです。

――その時には複数のヴォーカルを入れる方向ではなくなっていたんですね。
Leda:そうですね。で、ベースの孝介さんに関しては、以前にRYO君と同じバンドだったということと、僕も15年来の知り合いだったので、活動していく上で僕とRYO君の間で橋渡し役にもなってくれるだろうなというのもあってお願いしました。アレン君(Serenity In Murder)は新進気鋭のドラマーということで紹介してもらい、いざ合わせてみたらドンピシャで、結果的に良いメンバーに恵まれたなと思います。この巡り合わせは本当にたまたまで、そこに関しては運が良かったですね(笑)。

――幸先がいいですね。他のメンバーの発言を聞いても、ソロの曲を楽しんでいるのが伝わってきますし。
Leda:あんな小難しい曲をやってくれるだけでもありがたいんですけど(笑)。

――ははは。このメンツでの初ライヴの瞬間から何か感じるものがありました?
Leda:そうですね。言ってしまえば、最初にリハに入った時点で、「ああ、この形で新しい楽曲を作りたいな」というインスピレーションがありましたね。過去の曲をプレイして、そこには懐かしさもあるんですけど、RYO君が歌うことによって新鮮な楽曲に感じられて。だから、今の自分が作る曲を彼のヴォーカルで形にしたら絶対にすごいものができるんじゃないかなって、ものすごく手応えを感じたリハーサルだったんですよ。当然ライヴもリハ以上にパッションが溢れていたし、同時に今回ガッツリとメタルをプレイしてみて、そこにもグッと込み上げるものがありましたね。

――ここにきて、再びメタル魂を熱くさせられたと。しかし、2012年のUNDIVIDEでの活動が今と未来をつないだのも運命的ですね。
Leda:そう、つながりますよね。UNDIVIDEがなかったら10月のライヴは実現できなかったし、さらに言えば、あの時のライヴの感触がなかったら、今回のEPに収録された楽曲の形にはなってないと思うんですよ。

――なるほど。また、今回メタルのフィールドで展開していこうと思った理由は?
Leda:まず、いわゆるヴィジュアル系のシーンで活動する時は、“バンドとして世界観を構築する”ということに重きを置いていたので、世界観に沿った衣装を着たり、メイクをしていたんですね。でもソロとなると、もっと自分のパーソナルな部分を表現するものだと思っていて。プラス、純粋にメタルをやりたい欲求が今はあるので、メイクや衣装で世界観を演出するアプローチじゃなくてもいいん じゃないかなというところですね。あと、今メタルにシフトできてるのは、日本独自の文化であるヴィジュアル系の形をFEDでひとつやりきれたことも影響してると思います。FEDでその当時チャレンジしたいことが存分にできたんですよね。

――Ledaさんのルーツにはメタルもヴィジュアル系もあるので、決して無理してやっていたわけではないし。
Leda:もちろん。なので、そこからワンステップ違うところに行って、次は自分の別のルーツのメタルを表現しようと。ソロならではものをクリエイトして演奏していきたいなと思ってます。だから、FEDでの活動は、自分のなかでかなり大きかったですね。DELUHIの時は物心もついてなくて、自分がやりたい音楽をやるっていう、ただそれだけだったんですけど。本当にアーティストとして物心がついて音楽人になれてから、さまざまな世界を見た上で FEDを始めたので、あのバンドでいろんなことをやれたことは今でも感謝してます。

――そして今回、バンド・スタイルの『MIRAGE OF GEMINI』と、インスト・スタイルの『Cygnus Lake』というEP2作品をリリースすることは、最初から構想としてあったんですか?
Leda:そうですね。ソロ・ギタリストとして歩むにあたって、まずギター・インストをやりたいなと思ってたんですよ。......ですけど、僕がステージに立ってただ静かにプレイしたり、じっとしたままエモーショナルにギターを奏でているよりも、やっぱりライヴにおいては、ステージを動き回って、お客さんとひとつになっている時の自分のほうが好きなんですね。間違いなく、僕がやりたいギター・インストの音楽だけでは、そういうライヴはできないなと。歌があって、お客さんが声を出してノッてくれる、あの衝動的な激しさはバンドじゃないと絶対生まれないし、そこではライヴ向きのノリやすい楽曲も必要なので。そういう二面性みたいな部分は自分のなかにあるので、作品としてのバランスを見た時に、この要素を一緒にしないほうがいいだろうと。もう別々のベクトルとして形にしていいんじゃないかなと思ったんですね。だから、インストと歌が入ったバンド形式のものとで、2枚同時に出すことにしたんです。

――それができるのもソロだからこそですし。2作合わせて全7曲の新曲が聴けますが、相当な数のアイデアから絞り込んでいった形でしょうか?
Leda:そうですね。メタル以外のテイストのものも含めて、フレーズやリフのアイデア、全体のメロだけとか、イントロから1コーラスだけみたいなものだったり......パーツだけのもの含めて漠然としたピースはかなりありましたね。

――様々な素材をギュッと凝縮していく作業だったんだろうなと音から感じていて。というのも、最初に聴いた『MIRAGE OF GEMINI』があまりに濃密すぎたからなんですが。
Leda:ははは!

――いやはや、掛け値なしに、この仕上がりは衝撃でしたよ。
Leda:1人でバンドの作品を作るようなところがあったので、もう持っているエネルギーを全部注ぎ込まないと、とは考えてました。1人であっても四畳半で宅録したような雰囲気には絶対にしたくなかったので。

――溢れるエネルギーは強く感じたし、何より各楽曲が相当練り込まれてることが伝わってきたんです。
Leda:ああ、嬉しいですね。ソロ始動を発表してからずっと曲作りの作業は続けていたんですけど、実はなかなか完成しなかったんですね。それで10月のライヴ用のリハをして、そこでさっき話したようにパッションや可能性を感じて、ようやくそこから今回の作品をイメージすることができたというか。

――RYOさんの歌っている姿をイメージして曲を作っていったと。
Leda:そうです。自分の楽曲を彼が歌うとこういう感じになるんだなっていうのを、そこで体感して具体的にイメージできましたね。

――それで、この作品から感じたのは、DELUHI、UNDIVIDE、FED、それぞれで培ったものがここできっちりと昇華されてるなということで。
Leda:ああ、それはすごく意識したので、そう感じていただけると嬉しいです。

――Ledaさんの持つ美味しい要素を全部乗せだなという印象だったんですが、制作段階でファンが求めるものを考えたりはしました?
Leda:ファンが求めるもの...っていうこととは少し違うんですけど、ひとりよがりにならないようにしたいとは思ってましたね。自分の趣味に走りすぎないように。特に『MIRAGE OF GEMINI』に関しては、ライヴでお客さんと一体になることをイメージしていたので、例えばノレないリズムにしすぎないとか。あとは、まさに全部乗せじゃないですけど、『MIRAGE OF GEMINI』には今まで自分が経験したすべてをこの作品に込めたいなと思って いて。自分のなかでの成功例をピックアップするような......ファンにウケた/ウケてないかじゃなくて、自分にとってこういうタイプの曲は今も聴けるなとか、この展開は自分の十八番だな...みたいな、そういうところを振り返りながらの曲作りでしたね。

――だから、Ledaヒストリーが詰まってるんですよね。あえて言うなら、DELUHIの衝動、UNDIVIDEのノリやすいグルーヴ、FEDのテクニカルな要素......とか。
Leda:であれば、狙い通りになってますね...!

――そんななかで、ギター・ソロも徹底的にやり尽くしていて。ここまでやるか!っていうぐらいのこの濃さこそ、Ledaさんのパーソナリティだなと感じますよ。
Leda:ははは! そうですね、ソロのなかで起承転結を作る、それがひとつの曲を成すような流れを作るのが自分のキャラクターというか、その辺りは意識しましたね。変に外さないで、そこはきっちりやりきろうと。

――また、今回、全編英詞にした理由は?
Leda:そこはもう単純に、メタルの楽曲で、しかもRYO君のヴォーカル・スタイルだったら、日本語の響きよりも英語の滑らかな響きのほうが、より曲の本質を表現できるなと思ったんです。それに日本語は母国語なので、やりたいと思えばいつでもやれますし、今回のタイミングでは英語だったというところですね。

※インタビューは後編に続きます!

 

◎文=早川洋介